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2013/12/29

落書きを捨てる前に文字化

このコンテというかネームというか、4年くらい眠っているヤミノリウス関係の覚え書き類を整理。
出て来る出てくるっ 軽く萌え禿げそうなやつがっ!

藤兵衛「大魔界の闇の魔導士、ついにヒトの女に恋をしてヒトになったと記しておこう」
闇野「人間が好みそうな物語だな。せいぜい美談にするがいい。ヤミノリウスの名を三代でつぶした希代の裏切り者だ」

と書いてあるココ!(どこの忍者文字だよ読めねえわ)
Dsc05975

漫画にしたいけど、とてもこんな長い話し描きとげられそうもないし。
きりつけてまとめて、捨てていこうと思う。

そのうちの一部分を、物語として読める形にまとめてみたさー。
Dsc05974

闇野さんしか出てこないです。



 こんな天気のいい日はなんだかいいことしちゃいそう・・・。

 闇野は青空をあおぐとそのまま寝転んだ。
 普通に平日の昼間。いい大人が川原で寝転がっているのはあまりよく見ることではないが、まあいかんせん暇なのである。亜衣子は日中仕事だし、藤兵衛もあれはあれで修行に忙しいらしい。あのガキどもは「働けばいいのに」とか言うが、毎日魔界獣のネタ探しに働いていた頃もこんな感じだったし、働いたらなにか変わるわけでもないだろうにと思う。

 陽の光があたたかい。

ああ、こんな日は。

 うたた寝をしてはいけない、と闇野は思った。
 こんな日は決まって夢を見るのだ。いつも同じ夢だった。
 まどろみを覚えながら闇野は太陽に目を向けた。人間では直視できないその星を、彼は月を見るのと同じようにみつめ、雲がかかっては流れてゆくさまをながめた。時には、吹き上がる炎の片鱗をすら見てとれた。
 悪夢を見るのはわかっている。
 あの炎の海に落ちてゆく魔王・・・。忘れられない光景、逃れられない罪悪感。わかっていてなおこうして眼を閉じてしまうのは、瞼の裏にゴクアークの姿を見たいという思いからなのだろう。夢でも会えるなら…とどこかで思っているのだ。
 恥知らずなことだ。と、闇野は思う。
 とても顔向けできないことをしたのに、いまさら会いたいなどというのだろうか自分は。
 あの時、藤兵衛を連れて振り返りざまに見たゴクアークの最期が甦る。声はかけられなかった。別れの言葉も、謝罪の言葉も言えなかった。許されることではないのだから、どんな言葉も無意味だと、そう思って呑み込んだ。お名前すらも・・呼べなかった。
「・・・・・っ・・」心苦しく身じろぎながら、陽光に誘われて闇野は眠りにおちていった。
 いつも同じ夢だ。
 光を吐き太陽に落ちてゆく魔王の姿でこの悪夢は始まる。暗黒の竜が灼かれてもだえ、光のヘビがそれに巻き付いて燃えさかる海にひきずり沈めていく。
 声は聞こえない。あの灼熱の焔は声さえも焼き尽くすのか、ゴクアークは無言のうちに火の海に呑まれていく。最期に何を思っていただろうか。勝利への執念か。エルドランヘの恨みか。あるいは、わたしへの呪いか…。悲鳴さえあげずにゴクアークは溺れていく。なぜわたしは共にいかなかったのだ。なぜ見送ってしまったのだ。もし、この時、わたしの名を呼んでくださっていたなら。
『ヤミノリウスーーー!』
 ゴクアークが最後に口にした言葉が自分の名になったかもしれなかった。
 だが、現実はそうではなかったし、たとえ夢であってもそれは変わらなかった。自分は二度とその呼び声を聞くことはないだろう。もう誰も彼をその名で呼ぶものはいない。
 胸が痛い。
「うぅ…」うなされて闇野は身悶えた。
 炎の壁の向こうに手を伸ばそうと思っても腕は動かない。もっと最後まで見ていたいのに、自分はその場を飛び去ってしまう。
 いつもだ、またこの夢なのだ。変わらない事実をただ見せつけるこの残酷な夢を闇野は何度見ただろう。ここで目が覚めては、いたたまれない自分に嗚咽をあげるのだった。

 だが今日はまだ目が覚めなかった。

 腕は相変わらず動かない。胸の痛みは全身に広がり、身を焦がすほどに熱く体を刺した。
「う あぁ・・っ!」眠ったままの闇野が声をもらす。
 炎に覆われた視界。何も見えない。どうして体が動かないのか。体が熱い。あの中に、あの炎の向こうに、差し向ける手は ああ 燃えている。伸ばそうとした先から灼き尽くされて崩れて行く。
 熱い。この炎をどけろ…っ! わたしは向こうに行かなくてはならない!
『ヤミノリウス!』
 と聞こえた気がする。ならばわたしはこの海に飛び込んでゆける。
 熱い。自分が燃え尽きてしまう。息をすると、体の中が灼けるのがわかった。この体がなくなる前に、せめて一目。なんとしても。
 なんとしても!
 体にからみつく光のヒモを振り払い、渾身の力で炎の壁をなぎ払う。そして、その炎の視界の端にようやく最後に見えたのは・・・・

その場を飛び去る自分の姿だった。

『許さぬ、ヤミノリウスーーーー!!』
「!!?!」
 ゴクアークの断末魔に、闇野は悲鳴をあげて目を覚ました。
 身を焼かれる痛みは現実にも引き継がれていた。そして夢の中で動かなかった反動で突き出された手が目の前にあった。何だこれは。どういうことだ。
 尾を引く自分の悲鳴を聞きながら、闇野はこの現実を理解し始めた。
 目に入ったのは赤く長く尖った爪。今、自分は闇野の姿ではないのだ。そして恐るべきことに、足には黒いブーツを履いている。自分に尾があることも感覚で感じる。なによりこの体を裂くような苦痛は、魔王の残滓を取り込んだ時と同じだ。
「は・・・」
 息を整えながら体を起こし、ヤミノリウスは青ざめた。そして震えるほど恐怖した。今の夢は自分ではなくゴクアークが見た光景ではないか。あれが事実なら、おお、太陽に沈むいまわに自分に向けられた憎しみの激しさよ。あれがゴクアークの最期の声か。思い出すだけで震えが止まらない。だがさらに恐るべきは、魔王が・・・ゴクアークが、自分の中にいるということだ。
 "生きていた"
 残っていたというほうが近いのだろうか。以前と同じことならば、力を徐々に取り戻していずれ甦るだろう。そうなれば地上はどうなるのか。自分は生かしてはおかれまい。復活までどれだけの時間が残されているだろう。エルドランはどう出るかーーー
 恐怖と不安と焦燥とがいちどきに沸き上がり、混乱して何も考えがまとまらない。
ただ、痛みがひくにつれ内なる邪悪ーー煮えたぎる憎悪の渦が実感できるほどはっきりした。この闇の鼓動こそ偉大なる我らが王の中の王…!
「ゴクアーク様…!」
ヤミノリウスは自分の肩を抱くと、無上の喜びをもって泣き崩れるのだった。

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